仮想通貨は暗号通貨とも呼ばれます。
PCに強い頭の良い人たちが技術的に改ざんが難しい暗号化の方法を考え出したのでそういう呼ばれ方をしたようです。
どうもその技術的な発見自体は優秀なようで、根幹の部分については脅かされたという話は今のところ聞いていません。
ただ、年明けから確定申告期までに大きなトラブルか2件ありました。
コインチェックとZaifです。
結末が見えないので何とも言えないですが、問題が起こったことは確かなようです。
「新興の急成長の市場においてシステム上のバグが生じる」
割と普通の事です。
バグなしで出来上がるシステムなどありません。コンピュータ関係の産業はすべてそのように成長してきました。
問題は確定申告です。税金です。
仮想通貨の取引については、エクセルで自力で頑張るか、システムを組み上げて行わなければなりません。
会計ソフトのように足し算引き算だけなら良いのですが、移動平均法、総平均法があるので割り算、掛け算もあります。
各社の取引履歴フォーマットもまちまちです。
「すべてが完璧にできるシステムを組み上げる」などということを、国税庁が指針を公表した12月1日から要件定義をしてバグチェックを年明けからスタートしたとしても2,3か月で完璧に出来上がる訳がありません。
どうやってもバグが生じます。
当然のようにネット上で公表されているシステムについては計算結果について責任を持たないことを公表しています。
税額計算にミスがあるということは、すぐに過少申告加算税や納税過多という問題を起こすからです。
しかも税理士法では、他社が税金計算したものに税理士がサインすることを禁じています。
https://www.nta.go.jp/sonota/zeirishi/zeirishiseido/ihan/qa03.htm#a3-16
システム会社が「仮想通貨の所得計算システム」で税理士に計算させたとしても、システム会社が責任を持ってくれるわけではありません。
確定申告を受けた税理士の自己責任になります。
少額の所得であれば問題ないでしょう。
ただ「億り人」の確定申告があります。
何千万の税額に責任を持つのにあたって「プログラムバグの可能性を抱えた状態」で税理士がサインをしてくれるでしょうか・・・?
しかも責任を持たないサインは禁じられているわけです。
唯一の道は「納税者が聞いたものを書いた」という方法です。
たしかに税理士においては納税者から報告されないものについてまで責任はありません。税理士には依頼人の身辺調査義務までありません。
言われたことを信じてよいことになっています。
とはいえ、そうなると「納税者が『仮想通貨の所得が〇〇円です』といったものを書いた」という申告を税理士に頼む意味がありません。
自分で税務署に数字をもっていけば自己責任で確定申告書の作成を支援してくれます。
一方で「自分で納税額を算出するには税額が大きすぎて不安だ」という難しい状況です。(判定はこちら)
結構なバグが生じやすいですし、各社フォーマットが微妙に異なるので間違えやすい計算構造であることはこれまでも触れました。
厄介な状況です。税務署は計算ミスを容赦しません。法律の条文どおり間違っていたら過少申告加算税です。
自力で仮想通貨の所得計算をできる税理士事務所がどのくらいあるでしょうか?わかりません。